棚の物語作家。

 今日のお仕事は品出し。


 午前九時半から品出し。


 神戸よりもこっち側の兵庫県内で品出し。


 だから余裕を持って八時前に出発。


 ブツはパック飲料。


 はじめてのメーカー。


 つうか何度かやったことがあるメーカーのライバル会社。


 昨日の敵は今日の友です。


 今日はこれまで何度もないがしろにしてきたメーカーの商品をプッシュしまくるのです。


 それがプロなのです。


 本日もお仕事の場所はスーパーマーケット。


 多分リニューアルオープン。


 特売商品が激安。


 わたくしの担当であるパック飲料も激安。


 なのでちょっと目を離すと冷蔵棚がガラガラ。


 そのたびに冷蔵倉庫から台車に乗せて運んできます。


 でもめずらしくこのスーパー、バックヤードがありません。


 倉庫は道路を挟んだ向こう側にあるのです。


 今日はとても暑いのです。


 でも商品をピックアップするために冷蔵倉庫に入った途端にひんやりとして気持ちいいのです。


 でも涼んでいるわけにはいきません。


 だって午前中なのにお客様の入場を制限しなければならないほどなのです。


 店内常に満員状態なのです。


 冷蔵倉庫で商品をピックアップし店内に向かい棚に出してダンボールを畳みケースを片付けて冷蔵倉庫に戻るという作業を繰り返します。


 何度かやったことがありますがわたくしこういう仕事けっこう好きです。


 だって定期的に売れてゆくものを補充するんですから仕事の内容に流れがあります。


 棚の物語をわたくしがつくりあげてゆくとかそういった感じなのです。


 やってるうちに比較的サクサクと時間も進んでゆきます。


 あっというまに夕方六時になりお仕事終了。


 ちなみに、品出ししながら何考えてたかといいますと当然のようにそれはもう。


 わたくしの本もこの特売品みたいにバカバカ売れてくれねえかな。


 とか思ってました。


 けっこう頻繁に。


 一度でいいからおひとり様三冊までですとか言ってみたいですよ。