奇跡のギターが初体験。


 世田谷です。起きたら案の定、寝ている数十センチ先にウサギのうんこがありました。


 いやそんな事は大した事ではないのですが、指がなまると思ってちょっとギターを弾かしてくださいとこのお家の家主さんに頼んだのです。そしたらどうぞと言われるのです。

 いや、僕は自分のギター、出すのめんどくさいから家主さんのギターを借りようと思っていたのです。なぜなら何か僕のギターって普通のギターよりめんどくさいつくりになっている事に最近気づいたのです。出してすぐ弾けると言うわけじゃないみたいなんです。

 でもとりあえずそれを家主さんに説明するのがめんどくさいので仕方なくギターを出して見せたんです。

 するとその瞬間顔色を変えて立ち上がる家主さん。

 そして僕の前にはティッシュや水、中性洗剤、何か知らないけどビンに入った油とか薬剤とか紙やすりとか次々と運ばれてきます。

 その一連の運搬行動とともに家主さんは、拭いてくださいきれいにして下さいまず水で拭いて洗剤で綺麗に磨いて錆びてる所やすりで磨いてくださいそれが終わったらこの部分にはこの油、この部分にはこの薬剤を塗ってくださいなじませてください女体にサンオイルを塗るように、とか言うんです。

 言われたとおりにしていると、その様子を見ながら、白石さんこれはひどいひどすぎる、と何度もつぶやくようにおっしゃいます。

 一言も言い返せるはずがありません。だってこのギター四年半前に買って一度もそんなことしてないんですもの。僕は仕方なく黙って磨き続けると家主さんは、今凄くギター喜んでますよ今まで以上にいい音鳴りますし、いい仕事してくれますよ、とかおっしゃいます。

 でもよくよく考えたらこのギター、全くの初心者が買った一本目のギターにしてはいい仕事しすぎなわけですよそれはもう奇跡と言っていいくらいに買ってからのこの四年というもの。

 ですのでとりあえず今後はどうでもいいから、今までの御礼だと思って分解掃除研磨など入念にやってたらそれだけで午後丸つぶれ。