お友達夫妻のコンドミニアムで目を覚ます。
すごく広い。
トイレとバスルームが四つ以上ある。
超快適。
朝から夕方にかけてそこで過ごす。
でも、夜、帰ることを決意する。
あの部屋はぼくが日本からちゃんと家賃を送金して借りていた部屋なのだ。
だから帰らなければならない。
たとえ無数の白アリさんたちから壊滅的打撃を受けていようと。
たとえ今日が日曜で明日月曜は祝日で管理人さんがいないから電気が点かないままだろうと。
引きあげる前に扇風機が壊れたから冷房設備が全くないとしても。
ぼくはあの部屋に戻らなければならない。
当然のようにご夫妻はぼくを引き留める。
でもぼくは深夜ひとりアパートに向かった。
あのアパートはぼくのもので、ぼくはあそこで過ごすために日本からを払っていたんだ。
それが現実なんだ。