初仕事決まったようです。

 朝からおともだちの博士とお出かけです。


 博士の車でお出かけです。


 とある方にお会いしに。


 じつは、もう五年もひっそりちまちまと下訳を繰り返してきた本がありまして、


 で、さすがに五年もやってればいやでも7割方訳文はできてたりするのでいろいろと著作者に相談しなければならないというわけなのです。


 翻訳許可とか、どうやって出すかとか。


 それでその方の事務所に向かったわけです。


 その方はこの国の出版業界では誰もが知っている有名な方で、ここ10年、ただごとではないような実績をあげてこられた方なのです。


 人口七千万のこの国でツイッターのフォロワー数が二万以上と、出版人としては破格の影響力を持った方なのです。


 その方にわざわざスケジュールを空けていただいたわけです。


 再会してすぐ、翻訳については許可が出ました。


 いえーい。


 でもさあ、と彼は言葉を続けます。



 この本さ、おととし新しいバージョンを作っちゃったんだよね。



 その方は事もなげにそうおっしゃると、秘書の方に新しいバージョンを持ってこさせます。


 それを見てわたくし驚愕。


 どう見てもわたくしがちまちまと下訳を繰り返してきた前バージョンの三倍強のテキスト量。


 一気にわたくしの脳内にいろんな情報がインプットされ目が眩みそうになりますつうか実際に目がくらんでます。


 しかもページを開いてびっくりです。量だけではなく内容も高品質で三倍増なわけです。


 いやこれ全部はいろんな意味ですぐには無理ですよねと三人で話した結果、まずはこれとは違う本を日本語に訳してみないかと提案され、混乱はなはだしいわたくしは渡りに船とばかりにその提案に乗ってしまったというわけです。


 というわけでまずやるべき仕事が確定しました。


 あとはいかにダレずに毎日ちまちまとできるものなら長時間の作業を繰り返してゆくのみです。


 うわもうどうしよう。


(この方が誰で、翻訳しようとしている本がなんなのかわかった方は心のなかにひっそりとしまっておいていただけるとうれしいです。おおやけになったらきっとプレッシャーに押しつぶされてひとり泣きますので、なにとぞご内密によろしくお願いいたします)