偉大なひとを追い抜いた日。


昼からバイトなので自転車こいでバイト先に。

新宿区内を走っていると目の前の自転車が近づいてくる。

乗ってる人はジャージを着ていた。

背中に『TEAM NISHIZAWA』と書いてある。

大きな背中の男の人。

まさか。

もしかしたら。

そう思いながら追い越す瞬間、チラリとそのひとの顔を見る。






うわあ。


本物だ。


さすが東京だよ。


すごい人が普通に自転車こいでたりするよ。


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本物の西澤ヨシノリさんだよ。



これはもう絶対に何らかの敬意を表しておかねばならないと思った私は追い抜く瞬間までの一秒以内にあわてて頭の中でぐるぐると考えたあげく、

西澤さんですよね、がんばってください。

などと何の藝もない言葉をかけてしまう。


それでも西澤ヨシノリさんはにこやかに、ありがとうございます、と言って横断歩道を渡って私とは逆のほうに走っていかれました。


バイト先に向かってしばらく自転車こぎながら私は、やっぱりあの場合は、がんばってください、って言葉をかけるんじゃなくて、試合やるときは連絡してください行くときはチケット買いますから、って言ってメールアドレス渡すべきだったなと反省したのでした。


あ、でもよくよく考えたら西澤ヨシノリさんはもう日本で試合できないかもしれないんだ確か。



15年以上前、真田雄一ってリングネームで試合してたときの西澤さんをテレビでよく見てたんですが、こんな偉大な結果を出す選手になるとは思わなかったもんなあ。


時間かけて地道に実力あげてきて、東洋太平洋二階級制覇だもん。20年以上もやって結果出してんだよすごいよ。いつ身体が壊れてもしかたがない世界でさ。

なんかもうねありがとうございます、って言われただけでもったいないオーラを吸い取っちゃったような気がしちゃったですよ。

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