中野智則と須藤信充。


まずごめんなさい。前回配信分番号が500になってますが501の間違いですごめんなさい。

 次にありがとうございます。

 連載終了した『アンダマンの涙』について皆様からたくさんのお言葉ありがとうございました。うれしかったです。うれしいついでに少し休ませていただきました。でも休んだらすねてるだけだったので仕事することにしましたです。


 さて、新連載なのですがまだ何にするか決めてません。この文章書き終えるまでに決めようかと思ってます。でもどうやら四月馬鹿でボケて以来、エロ文とか惚れた腫れた作文などを皆様に期待されているらしいのです。


 そんなわけでわたくしはとりあえずエロとか惚れた腫れたとかから離れるためにキックボクシングをネットで無料観戦することしました。いや、中野智則選手の試合が気になったものですから探したんです見れないかどうかそしたら無料配信してたんですよ。

 この中野選手って人はなんか一昨年の秋に人づてに今度王室系で試合するから見に来て下さいって連絡があったんです。


 なんでそんな日本チャンピオンの中野智則選手がわたくしにわざわざ見に来てくれなどと言うのか? さっぱりワケが分からないわけです。だってボクシング関係者の知人はたいてい忘れることないんですよ。

 それでワケ分からないって事は、はじめから中野智則というボクサーが、実際に会ったことがある人として私の頭の中に入っていないって事なんです。

 とか思ってたら意外な事実が判明なのです。

 むかし白石さんちに遊びに行きました、と言われて思い出したんですがどうやら平成十年から十一年にかけてウチに遊びに来た事がある旅行者の中のひとりだったようです。あだ名言われて思い出しましたサクリと。

 というかわたくしもいいかげん人の名前をちゃんと聞かないクセは七年以上たった今も何とかしなければならないと思うのですが。

 というわけで過去ウチに遊びに来た旅行者が日本に戻ってキックボクシングを始めて日本チャンピオンになったその人が中野智則選手だということらしいです。

 この中野選手、なんだか良く分かりませんがわたくしのことを良く覚えていて下さり、昨年十一月に歌舞伎町で飲んでるから、ってだけネットで告知しまくったいい加減な段取りの飲み会にも来て下さり、さらに貧乏なわたくしのために招待券まで下さいましたのです。

 で、見事KO勝ち


 いや招待していただきKO勝ちといういい仕事見せていただいたんですから、ネットで見れるならせめて次の試合も見とくべきだろうと探して見つけたんです。



 で、見ました。




 なんですかこれは?

 なんですかこのバンタム級なのにヘビー級のようなシンプルな試合は?

 というかなんですかこの試合展開は?

 今日び漫画でもこんな漫画みたいな試合ないって。

 狙ってこんな試合してるって事はないだろうけど、とにかくそこには時間的密度が濃すぎる殴り合い蹴り合いが存在していたのです。

 というわけで、よろしければ皆様もこちらからご覧下さい。

 しかしナマで見たお客さん、盛り上がっただろうなあ。




 ところでこの映像なんですが、中野選手の試合の他に須藤信充選手の試合も観れます。

 いや、須藤信充選手って言ったって大多数の人はご存じ無いでしょうけど。

 去年中野選手に招待された会場でパンフレット見て、須藤信充選手が復帰してチャンピオンになっているという事実を知りわたくしは持っていたクマのぬいぐるみを落としてしまうほどでビックリしたのです。

 そう、今をさかのぼること十七年以上前の話。

 この須藤選手、わたくしが十九歳の時に初めて先輩の試合のセコンドをお手伝いしたのですがその三回戦だけの興業のメインイベントに出場し、反則攻撃を喰らったあとの膝蹴りで負けちゃったんです。

 ああこんなついてないこともある世界なんだなあこの世界はしかし須藤選手可哀想だなあ、とか思ってたらこの選手、その後国際式ボクシングに転向して新人王トーナメントどんどん勝ち進んでるの。

 でも雑誌見たら僅差の判定で負けて新人王獲れなかったみたいなの。

 そしたら今度はまたキックに戻ってきたと思ったらチャンピオンになって、これからって時に膝の靱帯痛めてタイトルマッチで負け、そのまま引退したわけです。

 で、六年間のブランクのあと、三十四歳くらいで去年復帰したらしいんです。

 そんで快進撃なわけです。

 なんかね、この人の試合、引退前に三試合か四試合ナマで見てるんですが、身体能力は凄くて、ツボにはまったら強かったんですけどそんなにすごく強い、って印象無かったんですよ。

 でも、快進撃らしいんです。えらく快進撃だからどんな試合するのか気になってたわけです。で、今回中野選手の試合のついでにやっと見れた、と。




 で、見てみたら並じゃなく強かった、と。

 というかこんなプレッシャーのコントロールと一発の強さで勝つような選手じゃなかったんですけどね昔は。

 でも、間違いなく昔よりはるかに強いです。

 いやあ、人って三十過ぎてもスゴイ勢いで強くなったりするんですね。

 ただね、




 引退してた間に三十キロ以上体重増えたらしくてそれを減量したもんだから、皮膚がたるんで余っちゃったりしてます。

 このまま快進撃があと二、三回続けば、K1−MAXに出場せざるを得なくなりますから、TBSのゴールデンタイムで、皮がたるんだ三十五過ぎの選手が二十代ピチピチの若い選手を殴り蹴りまくるというなかなか見られないある種爽快な光景が見られるようになるかもしれません。




 といった長い前置きをふまえた上で、新連載はエロくて惚れたり腫れたり殴ったり蹴ったりといった趣のものを皆様にご賞味いただくことに決まりました今決まりました。

 一部の方にはヤミでご賞味いただいたことがあるかもしれませんが、なんか気分的に今このメルマガで配信したくなったのです。

 ちょこちょこ送られてくるとは思いますが何卒よしなに。


(この文章はメールマガジンで配信されたものを転載しております)