歌謡言語に酔うタイフェスがらみのアルバイト。


 朝からカレーを蹴りこみます。


 カレーの中にホウレン草も混入します。


 そして自転車を漕ぎます。


 午前中に渋谷に行き、コンビニのトイレでネクタイ締めて面接です。


 説明と面接だけではなく、テストや作文までありました。


 その後、21日にトークショーする大盛堂書店の店長様にご挨拶。


 売り場の写真を撮らせていただきました。





 それから高円寺に移動します。


 ええ、バイト先の社長の紹介でタイ語翻訳のお仕事です。


 行ってみるとそこはなんかアート系な雰囲気が漂うオフィスです。


 説明を聞きます。


 なんかタイフェスにて販売されるタイの中古レコードのタイトルやアーティスト名を翻訳するらしいです。


 一時半に事務所に着くと仕事の手順を説明されます。


 レコードジャケットやプレイリストに書かれているタイ文字からアルバムタイトルとアーティスト名を読み取って訳したり、カタカナ表記して欲しいとのこと。


 つうかこれはまさに泰日歌謡翻訳藝人としての仕事じゃないですか。


 というわけで確認を取りながらネットでいちいち単語を確認してていねいに仕事を進めてゆきます。


 しかし一時間以上経って、このままでは終わらないからいちいち調べずに難しいものはカタカナ読みだけでかまわないという指示が出ます。


 だって何百枚もあるんだもんアナログのレコードが。


 ジャケットにマスキングテープを貼り、ひたすらカタカナ読みと日本語訳を書いてゆきます。


 どれもすごく古いです。


 一番新しいのでも八十年代初頭です。


 ほとんどが60年代、70年代のものでほとんど名前なんか知らない人ばっかりです。


 というかなんかその30年以上前のタイ・ミュージックシーンがジャケットのビジュアルとともに頭に入ってきて、文字情報を読んでいるうちにタイムスリップ的にトリップしてしまうわけです。


 つうかマジでこの作業、ハマるって。


 30年以上前のタイ文字エンターテインメントをカタカナにしながらなんだかわたくしの頭もおかしくなってきます。


 つうか出てくる曲名もツボなんだって。





『貧乏人の優しさ』

助け合いですね、おそらく。




『タイの女は心が美しい』

愛国心ですね、間違いなく。




『俺の心は風船状態』

質感ですかそれとも重さがですか?





『世界中の男を殺したい』

男女差別ですね。







『頭金がない!』

ローン組んでまで何が欲しいというのですか?





 上の例はほぼ直訳ですが、このほかにも妙に意訳したものもいくつかありますのでかなり奇っ怪な邦題もいくつか混じることになりました。


 だって何百枚もあるんだものはまってやんなきゃ終わんないって。


 というわけでなんかもう知らないうちに時間が過ぎてゆき仕事が終了したのは午前二時。



 のぼるちゃん十二時間もトリップしてたわけだ。



 と、いうわけでのぼるちゃんの手による奇っ怪な邦題が書かれたアナログ盤を見てみたい方は、16、17日に代々木で開催されるタイフェスティバルにおこしください。



 ブースはS-5です。
http://www.thaifestival.net/2009map.html



 なんかみんなにもトリップして欲しいよねせっかくだから。





 俺なんかトリップしすぎてこのお仕事頼んだのが漫画雑誌の編集部だってことうちに帰ってからはじめて知ったくらいだもんね。


 というわけでメガヘルツの皆様、長時間お世話になりました。


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