ひとり誕生祝い。

 おうちに帰ります真夜中帰ります。


 おなかが空いたので、というか食べたいものがあったので近所の注文食堂へ。



 お気に入りの注文食堂なんです。


 アパートの数棟離れた一階にあるんです。


 こんな感じのところを通って行くんです。


 ときどき近所の人に捕まってお酒のまされるんです。


 一階といっても屋外ですが。


 ここは母一人娘一人の母子が経営してます。


 頼むとお部屋まで配達してくれたりもします。


 ネット屋にも配達してくれるのでよく利用してました。


 腕は確かです。



 でも店は狭いです。



 今日は誕生日プレゼントをいただいたのです。


 秋刀魚缶詰。



 タイには注文食堂のレアなメニューとして魚の缶詰焼飯というものがございますのです。


 それは通常、いわしのトマト煮を使うのです。



 で、せっかくいただいたのでそれを秋刀魚缶詰でやっていただろうと。


 私の信頼するシェフに作っていただこうと。


 と、いうわけで。


 母が飯と秋刀魚を炒めます。


 こんなんなりました。


 でも、何かが足りない。


 決定的に足りない。


 すかさず追加注文。


 今度は娘が厨房に立ちます。


 生卵を揚げます。


 立派な目玉焼きが乗って出てきました。


 でもちょっと半熟加減がまだまだだねお母さんと比べたら。


 しかし僕が日本に行ってる一年半以上二年未満のあいだにすっかり女子から女になってるよここの娘。


 あたしはいつになったら大人になれるんでしょうね?


 とかもういくら考えてもしかたがない事を考えながら部屋に戻って全裸になりいつものように水風呂に浸かって眠ろうとするとライトな惨事。


 配水管から軽く滝状に水漏れしてるよ。


 わたくしはバスタブの冷水に身を沈めたまま目を閉じ、階上の住民が水浴びするたびに上から落ちてくる水の音を聞きながら39歳になって最初の眠りについたのでした。