タイ人が童貞を捨てに行く場所。


 日本の皆様こんにちは。


 ゴーゴーバーってご存知ですか?


 知らない方のためにご説明しますね。


 ええと、簡単に言うとお店の中にお立ち台があって最低限水着の露出激烈なコスチュームで全体的に若い世代のおねえさんが踊ってる店です。


 われわれが住むこの社会において露出激烈で若いおねえさんは世界的に単価が高いものとされてますので、お店で売ってるお酒はかなり割高です。


 ざっくりといいますとコンビニで購入する値段の3倍近くします。


 そんな露出激烈な若いおねえさんを眺めながら飲み物を飲むというお店なのです。


 ええ、基本飲むところです。


 当然、飲む以外のサービスもあります。


 おねえさんたちを席に呼んで、むちゃ高いコーラをごちそうしてあげたりできます。


 まあ、コーラは同席してもらうための建前みたいなものですが。


 その他におねえさんを店外に連れ出しちゃったりもできます。


 店内に連れ出しということも可能です。


 どうやら建物の中にそういったことのために用いられるお部屋があるみたいです。


 連れ出してどうするかというとぶっちゃけ売春行為です。


 お店に連れ出し料を払って、おねえさんにお金を払う、とそういうシステムになってるようです。


 このシステムが確立したのがベトナム戦争以降、ベトナム従軍の米兵たちが戦地に赴く前に心の洗濯をするために出来たと言われてます。


 そしてそれから40年もの月日が経過し、数カ所のゴーゴーバーがバンコク都内に残存することになりました。


 主に、パッポン、ナナ、ソイ・カウボーイの3ヶ所が聖地と言われてます。たぶん。


 だいたいこの3ヶ所に外国人観光客は流れてゆくのです。



 タイで最も人気があるロックバンド、カラバオのヒット曲に"Welcome to Thailand"という曲があります。


 その歌詞の冒頭で、

Tom, Tom where you go last night?
(I love (เมือง) Thai. I love Patpong. )

Welcome to Thailand - Carabao

と歌われています。


 タイ人である歌の語り手が外国人トムさんに聞くわけです。ゆうべどこ行ってきてん? と何故か関西弁で。


 そしたらトムさんは質問には答えず、タイ愛してる。パッポン愛してる、と標準語で答えるわけなんです。


 トムさん頭おかしいです。会話になってません。


 ええ、この歌はトムさんに代表されるタイに来て夜のおねえちゃんたちにズッポリはまった外国人さんとそれで観光収入を得ているタイの人を俯瞰して作られたおうたなわけです。



 まあその歌詞の中に出てくるくらい外国人が夜にハメ外し三昧な場所がパッポンに代表されるゴーゴーバーなわけですね。



 で外国人中心の場所ですからそれはもう外国人料金です。高いわけです。普通のタイ人はなかなか行かないところなのです。



 というわけでタイ人向けのゴーゴーバーが密集するスティサンにいってまいりました。


 タイ人の間では通称、童貞を捨てに行く場所、と呼ばれているようです。



 この国に北方謙三さんがいて性欲みなぎった若者に人生相談されたなら迷わず「小僧ども、とりあえずスティサンに行け。話はそれからだ」と言うくらいの場所なのでしょう。


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 とまあそのような場所です。スティサンのゴーゴーバーとは。


 期待はしなかったのですが、外国人がほとんどいないだけにおねえさんたちががっついてドリンクをねだったりしなかった分、気楽に飲めました。


Photo by
http://d.hatena.ne.jp/hiroshisoda/
http://hiroshisoda.dreamlog.jp/

 ぶっちゃけ、店を出てから食ったソーセージがうまかったことしか覚えてないです。



 しかし20年以上スティサンなる場所が存在すると聞かされてて、実際に足を踏み入れてみるとなにか感慨深いものがありますね。



 十年前にはじめて行ったグラバー邸みたいなもんだな。